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｜北の平原で睨み合う両軍に注目が集まっているこの機に｜１
｜乗じて、ローライトの中で争乱を起こす者がいるはず。｜２
｜同じ平原で目撃されたと噂の他国の軍隊も、それに呼応｜３
｜して行動を起こすだろう。その陰で糸を引いているのが｜４
｜エーリカをはじめとする工作員…「あの」殺意と再び対｜５
｜時するのは厳しいが、とにかくあの女の首の根っこを押｜６
｜さえないことには始まらない。これが明らかに国家的陰｜７
｜謀だと証明できれば、休戦の目も出てくるはずだ。　　｜８
｜悔しいことに、これといって有力な手掛かりは持ってい｜９
｜ないのだが、東地区にいるとすれば最近とみに羽振りの｜10
｜のいい人物（買収の可能性）や傭兵（シェラード訛があ｜11
｜れば尚怪しい）の出入りが多い人物の周辺か、ＳＯＦか｜12
｜…当分借りを返すアテもないので敷居が高いが、キャメ｜13
｜ロンなら手掛かりになるようなことを知っているかも。｜14
｜彼だって、街が戦場になれば商売に差し支えるのでは？｜15
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　東地区の住宅街は、比較的裕福な人間が住む治安の良い場所であり、フォアサークルの神殿もいくつか存在する。が、その中のＳＯＦの信徒達が虐殺されたことは、記憶に新しい。 
「最近は物騒ですねぇ、旦那。街を歩いていても何があるかわかったもんじゃないですよ」 
　床屋のキャメロン・クリークが手際よく鋏を操りながら言った。 
「そう言えば旦那は冒険者でしたよね。こういう話は聞いたことはありますか？　平原の方に、最近妙に盗賊団が増えたって話ですよ。おかげでキャラバンは皆、冒険者をいつもより多く雇っているそうです旦那もいかがです？　で……」 
　あなたが先を促すと、クリークは言葉を潜めて続けた。 
「で、ここからはあくまで噂なんですが、この平原で他の国の軍隊を見たって噂があるンですよ。どこの国の軍隊かって？　そこまではわかりません。あくまで噂ですしね」 
　クリークもそれ以上は知らないと言う。もちろん単なる噂であるが……本当だろうか？ 
　町の噂を聞きつける。 
「宗教戦争は終わったけど、どうにも後味悪いよな。皆殺しとは」 
　今回の探索は、こうして終わりを遂げた。

　完敗です。いろんな意味で。